再来年の世界遺産への登録を目指して、福岡県の「宗像・沖ノ島と関連遺産群」を推薦する事が決まりました。
「古代の祭りのあとが、ほぼ手つかずの状態で保存されており、現代でも神聖な島として信仰の対象である事などが世界的にみても顕著だ」と、評価されての事です。
「神宿る島」沖ノ島ってどんな島?
沖ノ島は、福岡県宗像(むなかた)市・玄界灘に浮かぶ、周囲4kmの無人島。
田心姫神(たごりひめのかみ)を祀る、「沖津宮」があり、島全体が神域とされていて、普段は、一般人は立ち入る事ができず、宗像大社の神職が交代で1人常在しています。
一般人が、唯一上陸を許されるのは、年に1度、5月27日に行われる現地大祭の時に、抽選で選ばれた約200人の男性のみ。
上陸の際は、裸になり、海に入って禊(みそぎ)をしなくてはいけません。
この大祭に参加するための申し込み書は、宗像大社より送ってもらえるようです。
今年以降は倍率が高くなりそうですね・・・
宗像大社→http://www.munakata-taisha.or.jp/
さらに、沖ノ島は、女人禁制で、女性はこの年に1度の大祭の時ですら、上陸を許されていません。
女の神様はヤキモチを焼くの?女人禁制の理由とは
沖ノ島が女人禁制の理由は、「祀られている田心姫神が女性で、ヤキモチを焼くから」
と、言われています。(諸説あり)
でも、神様がヤキモチを焼くなんて事があるのでしょうか?
日本神話では、特にこれにまつわる逸話はなく、「古事記」には、祭りに女性が参加していた記述もみられるそうです。
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昔はむしろ、女性の地位は高かったとされています。
いつから女人禁制が広がったのか
9世紀後半に、貴族社会が定着し、男性優位の社会が確立された事に始まります。
その後、仏教僧による、女性の穢れ説(女性がいると、集中できないという理由から)が全国へ広まり、
時代の流れとともに、男尊女卑の思想が庶民へと広く浸透した事から、
江戸時代以降、祭りに女人禁制が取り入れられたと言われています。
今でこそ、女人禁制をとりいれている方が少ないですが、昔は富士山も女人禁制だったそうです。
もし、こうした男尊女卑の考えに基づく女人禁制であれば、開放される事を祈ります。
参考:和じかん.com
世界にもあった!女人禁制の世界遺産
女人禁制で世界遺産に認定されたとして有名なのが、ギリシャのアトス山。
20もの修道院が点在する、東方正教の中心地です。
1406年以降、18歳以上の男性正教徒のみしか入山が許されず、女性は入国が禁止されました。
その理由は、「神に仕える道を迷わせてしまうから。」
日本の女人禁制と同じようなにおいがしますね・・・。
EUからも、差別だと批判されているようです。
しかし、悪い事ばかりではないように思います。
アトス山は、世界遺産になって以降も、厳しく入山規制されており、守られているんですね。
一方、2013年に世界遺産に登録された富士山は、観光客が激増、ゴミ問題に悩まされています。
落書きも発見されるなど、神聖な富士山が侵されている気がしますね。
沖ノ島が、もし世界遺産に登録される事になっても、
神聖な島を守り続けてほしいと願います。
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