私達の体を作る"設計図"とも呼ばれているDNA。
DNA鑑定なんて言葉をよく聞きますが、DNAは一人ひとり違うものなので、人物が特定できてしまうということなんですね。
そんなDNAは、私達人間だけでなく、動物や野菜にも存在しています。
そこで今回は、「野菜」からDNAを取り出す実験をご紹介したいと思います。
普段目にする機会のないDNAを見てみましょう。
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自由研究でDNAを抽出!ブロッコリーから取り出してみよう
★用意するもの
・ブロッコリー・・2房
・すり鉢
・すりこぎ
・包丁
・まな板
・茶こし
・消毒用エタノール(冷凍庫で冷やしておく)
・ゴム手袋
【DNA抽出液用】
・水
・中性洗剤
・計量スプーン
・食塩
・割り箸
消毒用エタノールはドラッグストアに売ってあります。500ml、700円くらい。
すり鉢やすりこぎは、100均にも販売してあると思いますが、なければミキサーやブレンダ―を使用してもかまいません。
★実験方法
1.ブロッコリー2房分の、花の部分だけを切って、冷凍庫で凍らせておく
2房は、一株を、小房に分けたうちの2つです。
ブロッコリーの花の部分だけを使います。
※冷凍すると、DNAが取り出しやすくなります
2.凍ったブロッコリーを、すり鉢で粒々がなくなるまでつぶします
すり潰したら、コップに入れておきましょう。
※DNAは、手の表面にある酵素で分解されやすいので、液状になったブロッコリーには触らないように。
できればゴム手袋をつけてからの方が良いです。
3.DNA抽出液を作ります
【抽出液の材料】
・水・・200ml
・中性洗剤・・小さじ1杯半
・食塩・・小さじ2杯半
上記3つの材料を計量カップに入れ、割り箸等でかき混ぜます。
(泡立たないようにゆっくりと)
4.2のブロッコリーに3で作ったDNA抽出液を注ぎます
すり潰したブロッコリーが入ったコップに、DNA抽出液を100ml加えます。
5.軽くかき混ぜて10~20分放置
※DNAは壊れやすいので、静かに注いで混ぜたあとは触らない
6.茶こしを使って、別のコップにろ過
(DNAが入っているのは、ろ過した液の方)
7.ろ過した液体に、2~3倍の量の消毒用エタノールを加える
※割り箸をコップのふちにあて、エタノールがふちを伝わるようにして、とにかく静かに注ぎ入れる
※エタノールは、冷凍庫でよく冷やしておくと、より効率よくDNAを取り出せます。使う直前まで冷やしておきましょう。(冷凍庫の温度では凍りません)
8.白い紐状のものが浮かんできます。
これが、DNAです。
割り箸で巻きとって、観察しましょう。
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DNAの自由研究考察とまとめ
今回の実験では、どうして普段目に見えないDNAを取り出すことができたのか、その原理を考えてみましょう。
まず、DNAは、1つの細胞の中の「細胞核」の中にあります。
植物の細胞は、固い細胞壁で覆われていますので、細胞核の中にあるDNAを取り出すためには、まず細胞壁を壊す必要があります。
今回の実験では、ブロッコリーをすり潰すことで、細胞壁を壊しています。
また、中性洗剤は、細胞膜などの油分を水に溶かして取り除くため、食塩はDNAとたんぱく質を分離するために加えます。
これらにより、ブロッコリーからDNAだけを取り出しています。
次に、エタノールを加えるとDNAが浮き上がる原理についてです。
これは、DNAが水には溶けるけど、エタノールには溶けにくいという性質を利用したものです。
実験のように、静かにエタノールを注ぐと、水とは混ざらずに2層に分かれます。
下が水、上がエタノールです。(エタノールの方が比重が軽い)
エタノールに触れたDNAは、溶けていられないため、眼で見えるようになります。
さらに、比重の重いタンパク質は下に沈み、比重の軽いDNAは上に浮いてくるため、DNAだけを綺麗に集めることができます。
今回は、ブロッコリーからDNAを取り出す実験を行いました。
それは、ブロッコリーがDNAを取り出しやすいからです。
DNAが存在する核は、一つの細胞に一つなので、ブロッコリーの花の部分のように、小さな細胞がたくさん集まっているものの方が、効率よくDNAを取り出すことができるのです。
ブロッコリーの他、たまねぎや鶏のレバーなども取り出しやすいと言われていますよ。
他のものでも同じように挑戦してみると、面白いと思います。
DNAの抽出まとめ
普段目にすることができないDNAを取り出せるなんて、とても楽しい実験ですよね。
写真を撮ってみたり、エタノールを加えてから、DNAがどのように出てきたかなどをじっくり観察して、まとめてみてくださいね!
自由研究のまとめ方↓↓
【自由研究いろいろ】
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